PRパーソンのなかでも、「ファクトブック」と聞けば、「あー、IRの方ね。投資家向けの資料でしょ?」と思う人も多いのではないでしょうか。

実は、企業や団体にとって、特に、「まだまだ知名度が弱い」と感じていらっしゃる中小企業の広報担当さんや、少子化で大学淘汰の戦国時代に頭を悩ませている地方都市の大学関係者の方にこそ、「メディア向けのファクトブック」は必要不可欠なツールなのです。

今回、PR Supportersが推奨する広報PRツールの第2弾では、"メディア向け"の「ファクトブック」をご紹介したいと思います。

メディア向けのファクトブックとは?

「ファクトブックは、企業や団体がメディアに対して自社や自社の製品、サービスを理解してもらうための報道基礎資料です。 企業の沿革や業績、トップの経歴などデータを中心に構成します。」

出典:共同ピーアール株式会社

「会社の経営内容や財務状況、業界におけるポジショニングなどの事実関係(ファクト)を図表などを使って客観的に記載した冊子。会社案内の一種だが、アナリストや機関投資家、報道機関などを対象に、年に1回発行される。最近は、会社の沿革や関連市場の動向なども収録した手帳サイズのファクトブックを社員向けに作成するところも出ている。」

出典:日本パブリックリレーションズ協会

メディアが求めている情報はファクトブックにあり

あなたが新聞記者だったとしたら、「働き方改革」についての特集記事の取材候補を絞るのに、何を基準にしますか?

もしあなたがNHK『プロフェッショナル 仕事の流儀』のディレクターだったとしたら、取材すべき人物をどうやって探しますか?

「会社案内や取材を受けたときの記事(URL)とか見れば、取材候補を絞れるよ」

いえいえ、企業に直接訪問したら手に入る会社案内や、公式サイトやウェブメディアの既出記事にアクセスすれば誰でも手に入る情報に、メディアはニュース(新しく一般にはまだ知られていないできごとや情報)にする価値を見い出してはくれません。

もちろん会社案内は全てのステークホルダーのために必要なツールです。

マスコミ各社も、いざ取材となれば、事前に、または補足資料として会社案内に目を通してくれることでしょう。

しかしながら、その取材のきっかけとなる動機としては、会社案内だけでは足りないのです。

ことメディアに対しては、社会に発信すべきと彼らが思ってくれるような切り口や客観的データで、その企業や団体の事業内容、働く人々に魅力を感じてもらう必要があります。

例えば、採用案内には、「この会社で働きたい!」という情報掲載や見せ方をしますよね。

メディア向けのファクトブックには、「この会社の(商品/サービス/人もしくはビジョン/ミッション/取り巻く環境や課題など)を取材したい!」と思わせるファクト(事実)の見せ方があるのです。

メディアが欲しがるファクトブックの作り方

「ファクトブック 作り方」と検索しても、上位には企業のIRページが表示されます。

メディア向けのファクトブックはあくまでもメディア関係者に読んでいただく資料なので、ウェブ上で開示している企業もありますが、一般の人が目にする機会はほぼありません。

ファクトブックが効果を発揮するのは、メディア関係者とのリレーションのきっかけとなる、One to Oneのコミュニケーションを始める時です。

皆さんの日々の努力でメディアへの露出につながったとしても、その1回の取材だけで記者との関係を終わらせるのはもったいないです。

持続的に自社に注目してもらい、継続的に自社情報が露出されるために、ファクトブックは存在します。

また、ファクトブックは毎年更新するものです。

内容は、会社概要といった普遍的な情報から、事業に関連する社会的課題を絡めた最新の情報を入れ、業界が俯瞰できる客観データ(自社の業界におけるポジション)など、自社の強みや他社との違いを盛り込みます。

例えば、スタートアップ企業であれば、創業理念だけでなく、起業するに至ったきっかけや、その背景にある社会問題などを掘り下げ、創業者のストーリーを載せるのもよいですし、様々なバックグラウンドを持った創業メンバーにニュースバリューがあるかもしれません。

事業に関する内容も、そのモデルが業界特有で分かりにくいものであれば、『週刊こどもニュース』の池上彰先生の如く、そのポイントを明確に、

  1. 専門用語を解説し、仕組みをビジュアル化して理解しやすくする
  2. 業界マップや数値で優位性を明確にする
  3. 売上高の推移で意外な需要を知らせる
  4. 開発戦略秘話で感動してもらう

という切り口があります。

目立つデータがない場合でも、人材教育に関する取り組みや、防災や介護、託児所といった社会・環境に関する取り組みは、国全体の課題となっている昨今、メディアに注目されやすい切り口でもあります。

また、報道実績を載せることで、取材対象として記者に安心してもらえることにもつながるでしょう。

メディア向けファクトブックは内容重視。

ゆえに豪華な装丁は必要なく、ワードやパワーポイントで作成し、A4用紙に印刷したもので十分です。

その方が、メディア別に必要な項目のみ抜粋し、構成を変えるなどメディアファーストな資料にすることができます。

このように、メディア向けファクトブックは、普段「プレスリリースするほどのニュースがない...」と嘆いておられる企業こそ必要なものです。

また、メディア向けファクトブックがある会社はまだ少ないため、今がチャンス!

是非、この機会にメディアにファンになってもらえるきっかけを作りましょう。

ファクトブックの作り方を学びたい方に!

今回、メディア向けファクトブック作りのヒントとなるセミナーを下記にて開催いたします。

ご興味、ご関心のある方は、ぜひこの機会にご参加くださいませ。

【広報PRセミナー】

ファクトブックの作り方 ~ 自社にニュースがないときに活躍するメディア向け資料 ~